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C&Cのひきこもりオンラインハンドブックでは「自閉スペクトラム症の人と定型発達の人の付き合い方」と題するシリーズの記事を、これまで70記事ほど掲載し、定型とASDがミスコミュニケーションを避けるためのヒントを提示してきました。以下は、その基本的な内容を要約的に提示した概説記事となります。
定型発達の人(以下では定型)と自閉スペクトラム症の人(以下ではASD)との間ではミスコミュニケーションが発生しやすく、ミスコミュニケーションが積もり積もってトラブルに発展するということがあります。したがって、ミスコミュニケーションを避けるに越したことはありません。定型とASDのどちらかがミスコミュニケーションが生じていることに気付いていれば、気付いている側の工夫によってミスコミュニケーションを避けることができます。少しでもその可能性があると思った場合は、以下の点に気を付けてみると良いかもしれません。
まず、ASDは定型よりもずっと論理的整合性に傾きがちであるということが注意されるべきです。定型が最高に論理的に話そうとしてようやくASDとバランスが取れるといった程度の差があると理解するべきです。他方で、ASDは定型とは違って、論理性以外のより広い整合性が欠けてしまう傾向にあります。ある事柄が論理的整合性に属するのかそうでないのかは、判断が難しい事柄ですが、定型の側でなるべく論理的に話し、またASDに対して大域的な整合性を期待しないことが、重要になります。
ASDは、定型とは異なり、他人と一緒に何かを取り組むということを苦手としています。通常は、自然に共同性を感じるような共同して行うこと(食事など)であっても、ASDは共同で行なっているという意識を持ちにくい傾向があります。定型の側で一緒に行なっているという意識を持つことを相手に期待し過ぎると、期待外れに終わってしまう場合があります。
ASDは責任に関するコミュニケーションを苦手としているため、定型の側でそのような相談を持ちかけないことが重要です。決まった仕事についてはむしろ定型よりも確実にこなすという傾向もあるため、ASDに対してはきちんとこなす仕事を定型の側で割り当てる工夫をすると良いでしょう。そのような割り当てを臨機応変に変更することは、ASDが苦手とすることですので、止めておいた方が無難でしょう。
定型が不満に思うASDの特徴として、比例性を守らないというものがあります。ASDは事柄に比例した対応をするということを定型よりも苦手としています。これはかなり抽象的な描写ですが、問題になるのは「やり過ぎである」と定型が感じるようなASDの振る舞いです。定型の側で比例性逸脱という認識がないと、的外れな批判非難をASDに対して加え、結果として事態の解決に繋がらないということがあります。定型の側では、まずは「ASDが比例性を逸脱している」という仕方で自らのASDに対する不満を認識する必要があります。
ASDと定型との間では共有物や共同管理領域に関してミスコミュニケーションが起きやすいという特徴もあります。この点に関してはコミュニケーションの機会自体を減らすことが有効な対策なので、共有物や共同管理領域を減らしていくことが取り組まれるべきです。
以上の諸点に気を配ることで、ミスコミュニケーションを減らし、トラブルを未然に回避できる可能性が高くなります。当事者の一方がミスコミュニケーションの実態に気付けたならば、多少の工夫を試してみることをお勧め致します。
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以下は関連する主な記事へのリンク集です。より詳しく知りたい方はぜひリンク先をご覧ください。
ASDなどの共感が苦手な人と付き合うためのライフハック (自閉スペクトラム症の人と定型発達の人の付き合い方①)
「以心伝心」に期待しない それはコミュニケーションできているという誤解かもしれない(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人の付き合い方③)
ASDとうまくやるにはルールを積極的に作成する(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人の付き合い方④)
家庭で問題が生じているときには自室を持つことが有用な理由(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人の付き合い方⑤)
「正論」との向き合い方 ASDが自らの強い規範性によるトラブルを避けるには(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人の付き合い方⑥)
ASDが自分に悪意を持っていると定型が深読みしてしまう理由(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人との付き合い方⑧)
ASDとのコミュニケーションは書面かつ業務連絡風にすると良い(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人との付き合い方⑩)
ミスコミュニケーション防止の一般的方策としての相互の差異についてのメタ知識の共有(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人の付き合い方52)
ASDが言ったことを書き取ることの有用性(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人との付き合い方53)
ASDと定型のコミュニケーショントラブルは定型の一義化により解消されるべきである(ASDと定型との付き合い方54)
ASDの人を怒らせやすい「未来への希望的観測」(ASDと定型との付き合い方55)
ASDと定型の関係性のゴール(ASDと定型との付き合い方56)
ASDと定型が協力する際のコツ:プロセスを共有しない(ASDと定型との付き合い方67)
ASDが規範的言明に影響を受けやすい傾向にあるという問題(ASDと定型との付き合い方68)
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身近な人が自分の話に共感してくれない、という悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
いつも「なぜ共感してくれないの!」と思ってイライラしたり悲しくなったりしてしまっていませんか?いつもそういったことを繰り返していては心の健康を損なってしまいます。どうしたら良いでしょうか?
「自閉スペクトラム症の人は共感が苦手だ」と紹介されることがよくあります。しかし自閉スペクトラム症の共感能力というポイントについては、普通思われているよりも注意深く理解する必要があります。
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