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C&C ひきこもり家族コンサルティング
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当相談室C&Cのひきこもり支援事業の特色をなす点として、それが三つの助言関係を持っているということが挙げられます。中心にあるのは、コンサルティング会社としてC&Cが依頼者の方に助言するということですが、その他にC&C自体も専門家から助言を受けていますし、依頼者の方が実際に身近な方(例えばひきこもりの当事者)に行う働きかけも助言という性格を持っています。このように助言を与え与えられる関係が主体を変えて重なってゆく構造のことを、ここでは助言構造と呼びましょう。
助言構造を保つことは、助言を受ける側の自律性、つまり自分で考え自分で判断する力と権利を尊重する点で重要になってきます。例えば、助言にあたっては助言される側の自由な意思決定が必ず確保されていなければなりません。というのも、助言される側が助言されたとおりにしか行動してはいけないのなら、それは命令と変わらないからです。またこれの反面として、助言者は適切な助言を与えることについてのみ責任を負い、助言に従った結果について責任を負いません。というのも、ちょうど指摘した通り、助言される側に助言に従うかどうか、そしてどれぐらい従うか、についての自由があるため、助言者の側は不測の結果に責任を負うことはありません。もちろん、助言者は悪い結果になると分かっている助言をしてはいけませんが、そうでない限り、助言を受ける側は不測の悪い結果が伴いうると承知の上で従うことを選択する自由があったのです。
このような助言し助言される関係は、時に煩わしく思われるかもしれません。つまり、問題になっていることを助言者自らが直接解決する方法ではなぜ駄目なのかという疑問があるかもしれません。しかしながら、このような助言構造を維持すべき理由があります。
第一に、助言者が(助言するのでなく)助言される側に代わって問題を解決しようとすると、(助言する場合と異なり)全面的な責任の移転が必要になります。しかしながら、全面的な責任の移転が仮に可能であるとしても、どこまで手出しし、どこまで責任を負うのかという条件についてかなり厳密に確定することがなければ、実行の途中で関係者の間ですれ違いが出てきてしまうということは明らかです。そして全面的な責任の移転という選択肢が(助言よりも)手っ取り早くて魅力的に見えるとすれば、まさにこのような細部の線引きに伴うあらゆる困難を度外視しているからに他なりません。
第二に、なるべくそれぞれの主体が自立することが望ましい、少なくとも社会的に望ましいということがあります。助言の場合は、助言される側の自律性の発揮、つまり自分で考え自分で決めるという自由は傷つけられず、むしろ前提されています。しかし上で想定されたような全面的な責任の移転は、助言される側の自立を阻害してしまいます。代わりに問題を解決するということには、解決してもらう側の成長が含まれていないからです。助言は助言される側の現時点での判断能力に依存してしまう点があるとはいえ、助言される側は助言に従うか否かで検討する段階で助言を踏まえ問題を自分で考察することを迫られ、結果としてそれが助言される側の成長につながるという側面があります。したがって成長と自立という観点でも、助言構造の方が優れていると言えます。
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