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自閉スペクトラム症(以下ASD)の人と定型発達(以下定型)の人との間で発生しうる様々な問題のうちで、ASDと定型とが(夫婦として)生計を共にすることに関係するものがあります。もちろん両者の関係が以下で説明するようなパターンに必ず落ち込んでしまうという訳ではないのですが、相談の事例で頻出する問題ですので解説しておきたいと思います。
結婚してからの夫婦が獲得した財産(貯金)は(少なくとも常識的には)夫婦の双方に帰属しているはずです。理想的には、夫婦で話し合って支出と収入のバランスを決定することが望ましいでしょう。支出する前に両者で話し合っておけば、後で揉めるということもありません。しかし、ASDと定型との間で支出に関してきちんと話し合いができていないと、あるいは話し合った段階で存在しなかった予定外の出費があると、問題が生じることがあります。
取り上げたい問題は、次のような仕方で発生します。何か予定外の支出が必要になるとします。ASDと定型との間では、対人関係が得意な定型の側が最終的な支出行為を分担していることが多いです。そこでASDと定型との間で話が整わないと、定型の側は板挟みになってしまいます。それは、パートナーは支出に賛成していないが(客観的に)出費は必要なものであり、支出はやむを得ないという状況です。他の記事でも数多く取り上げているように、ASDと定型の間では特有のミスコミュニケーションが頻繁に発生するため、このような不一致が夫婦の家計運営においてもしばしば起こりうるのです。その場合に定型の側が選択しがちであるのは、自分の個人財産を削って、本来夫婦の共有財産から支払われるべき額を補填してしまうということです。一つ一つの機会における支出額は小さいものだったとしても、積もり積もれば山となります。低額の支出であったら合意は比較的容易だったはずですから、不一致が生じている時点でそもそも支出額もあまり小さなものではないでしょう。長期的にはなおさら大きな額となります。
夫婦関係が良好な場合は、相手の代わりに自分が支出していても(不満はあっても)実質的な支障はないかもしれません。しかしながら、いつしか夫婦関係が悪化し、別居や離婚といった選択肢が見えてくる場合があります。そういった場合に頼りになるのは、自分の個人財産や分割される夫婦の共有財産であるはずです。しかし、その際に定型の側が支払ってきた一つ一つの出費が、上手く公平な財産の分割に反映されるとは限りません。そうなると、資金不足などの理由から、別居や離婚といった距離を置くという選択肢自体が採用できなくなってしまうこともあります。こういった行き詰まりを避けるためには、最初から個人的な支出による補填を避けるということが肝要です。家計の方針に関する協議はしばしば難しいことであるとしても、収入と支出に関する話し合いに最初から取り組んでおくという覚悟が大切と言えるでしょう。
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いつも「なぜ共感してくれないの!」と思ってイライラしたり悲しくなったりしてしまっていませんか?いつもそういったことを繰り返していては心の健康を損なってしまいます。どうしたら良いでしょうか?
「自閉スペクトラム症の人は共感が苦手だ」と紹介されることがよくあります。しかし自閉スペクトラム症の共感能力というポイントについては、普通思われているよりも注意深く理解する必要があります。
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