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医師に自閉スペクトラム症であると診断されたという方、いらっしゃいませんか?
自閉スペクトラム症(以下ASD)であると診断された人がその診断に持つ感想は様々です。今まで体験された苦労に上手く説明がついたと感じホッとする方もいらっしゃれば、何かネガティブなことを指摘された気がしてがっかりされる方もいらっしゃると思います。感じ方は一人一人異なっているので、この記事一つの中で皆さんのお気持ちを上手く掬い取ることはできません。しかし、一つ申し上げることができるのは、ASDという診断名を利用してあなたの生活の問題を解決することができるかもしれないということです。
この記事では、ASDという診断を活用する一つの方法を提案したいと思います。その活用法は、ASDという診断によって、あなたが受けてきた不当な攻撃を今後受けないように予防するということです。
例えば、あなたは、あなたに悪気はない時でも周りの人に辛く当たられた、という経験をお持ちではありませんか? もしかすると、あなたがASDであるということを知らず、あなたを定型発達者として扱ってきた人は、あなたについてひどく誤解していたのかもしれません。
というのも、ASDの人と定型発達の人では、コミュニケーションに用いる手段の範囲に違いがあるからです。例えば、もしあなたが定型発達者であったとしたら相手に敵意を示すために用いたであろう態度を、(ASDである)あなたが知らず知らずのうちに採用していた、という可能性があります。そうした場合に非常に大きな問題が生じるということは容易に想像できます。あなたが敵意を持っていると誤解した相手は、あなたに対して攻撃的な態度を取るだろうからです。例えば、あなたを冷たい人間であるとか悪意ある人間であるとか誤解した上で、あなたを拒絶する人がいたかもしれません。あなたの問題もこのようなパターンに当てはまっている可能性は十分にあります。
心当たりのないことで周囲の人と上手く行かなかったのは、あなたも周りの人もあなたがASDであるということを知らなかったからではないか、と振り返ってみてください。ASDの人と定型発達の人が具体的にどのように違うのか、ということについての知識は日本社会でまだまだ一般的とは言えませんから、誤解は日本の至るところに存在していると思われます。あなたの苦労も同じ問題であるかもしれません。
しかしながら、あなたは自らがASDということを知るようになったのですから、今までのように他人の誤解にさらされたままにしておく必要はありません。他人の誤解を防ぐために色々とできることがあります。定型発達の人に誤解されそうな行動を避けるだけでも効果がありますし、自分がASDであるということをカミングアウトすれば(相手が公平な人であれば)あなたのことを誤解しないように努力するでしょう。そうすると、誤解から生じる軋轢をあなたと周囲の人の間から追放することができます。
人間の悩みのほとんどが人間関係から来ることを考えれば、このような工夫だけで予想外に多くの悩みが解決するかもしれません。ぜひ試してみてください。
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