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ひきこもりオンラインハンドブック
ASDの人との家事の揉め事は「役割分担」ではなく「役割分割」で解決できる理由

イニシアチブを持つのは誰ですか?

家族と居所を同じくして暮らしていると、家事を始めとした様々な仕事・役割を分担こなしていく必要がおのずから生じます。お子さんとの間で分担することもあれば、配偶者の方との間で分担することもあることでしょう。

 

しかし、自閉スペクトラム症(以下ASD)の方の中には、まさにこの役割分担ということが苦手が方が多く見られます。当相談室に相談に来られる方の中には、ひきこもり当事者の方(例えばお子さん)がASDの診断を受けたことがあるケースもあれば、相談者の配偶者の方がASDだと診断されたことがあるケースもあります。

 

ASDの方との役割分担をめぐる難しさは、例えば次のようなものです。何らかの事情で忙しくなってしまったので、今までご自身が受け持ってきた家事をいくらかでも、ひきこもりのお子さんや配偶者の方と分担する必要が生じたとしましょう。このとき、相手の方がASDである場合、「少しでも洗濯物を取り込むのを手伝ってほしい」「できる限り家の掃除をしておいてほしい」というふうに依頼すると、少しもこなしえてもらえないというケースがままあります。

 

なぜこうしたことが生じるのでしょうか。ASDの方は、「少しでも」や「できる限り」といった曖昧な割り当てに基づいて作業するのが苦手な傾向が見られます。それにより、自分がどれだけのことをやればいいのか分からず手を着けることができなくなったり、多少手伝ってみただけで自分の担当分はもうこなしたものと思いこんで止めてしまう、といった状態に陥っている可能性があるのです。

 

さらに別の要因もあります。相手の方は、「仕事に実際に手を着けているのが誰か」と「その仕事のイニシアチブを取る(=責任を持って受け持つ)のは誰か」とを区別できていない可能性があるのです。多くの人は、部分的にでも家事(例えば掃除)を任されているなら、その部分だけは自らイニシアチブを取って片付けなければいけない自分の仕事だと考えます。たとえ分担量が多少曖昧であっても、だからといって自分は何もしなくていいことにはならないと、多くの人は考えます。しかしASDの方の中には、もう一人の方が自身の分の掃除に着手されているのを見て、「この仕事はもう人任せにしていいものだ」と誤認してしまう方もいるのです。つまり、他の人が自分の分の掃除に手をつけているのを見ると、自分がこなすべき分のイニシアチブまで他の人の手に渡ったものと思ってしまう場合があるのです。

 

どちらのケースにしても問題の改善策としてご提案できるのは、相手の方がイニシアチブを取るべき領域をはっきりと区別することです。まず、掃除や洗濯といった一つの大きな仕事をお二人で何割かずつに分けるのではなく、仕事そのものをできるだけ細かく分割します。例えば、掃除は寝室の掃除・リビングの掃除・キッチンの掃除などと分け、キッチンの掃除もさらに、掃除機がけ・シンクの手入れ・生ゴミの処理などと分けていくのです。そして、その一つ一つについては、どちらか一方が100%担当する仕事としてそれぞれがイニシアチブを取ることにするのです。

 

このようにすれば、相手がイニシアチブを取ることになった仕事については、全く手伝わないでおくということになります。それによって、「相手が手を付けてくれたからもう自分がやるべきことではない」と誤認されることなく、「自分が割り振られた分は最初から最後まで自分が着手しなければならない」と理解してもらえるはずです。

 

ASDの方は、必ずしも家事などの作業能力が低いというわけではありません。むしろ、高い集中力や忠実に仕事をこなす真面目さをお持ちのことがあります。ASDの方のこうした特質を活かすためには、余計なことを気にせず目の前の仕事に注力できるよう、これだけは自分の仕事だという範囲が明確な形で線引きされている必要があるのです。

 

以上のように、一つ一つはどちらか一方が最後までイニシアチブを取る仕事としつつ細分化しつつ、全体としてはご家庭の事情に応じて 4:6 や 5:5 の割り振りになるように仕事を分かち合うことが、よりスムーズな協力関係へのカギになります。ふつう考えられている「役割分担」ではなく、「役割分割」こそがASDの方との適切な協力関係のスローガンと言えるのです。

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