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ひきこもりが本人に対して引き起こす好ましくない影響、あるいはひきこもりという状態を引き起こしている心理状態として、「人生の観念化」というものがあります。この記事ではこのテーマについて論じます。
ここで「人生の観念化」というのは、人生についての理解が地に足のついた経験から乖離して、抽象的なパターンの編み物のようになる現象のことを言います。例えば「いい大学に入っていい会社に就職する」ことを当然の人生とするライフテンプレートにおいては、人生が観念化されていると言えます。本当の人生はライフテンプレートに尽きるものではないということには、ほとんどの人が賛成するでしょう。実際にライフテンプレートに則って人生を生きようとしてみても、ライフテンプレート通りにいかないことが無数に生じることに気がつくはずです。それをポジティブに捉えるにせよネガティブに捉えるにせよ、人生はライフテンプレートと同じものではないということには、ほとんど誰もが賛成するでしょう。
しかしながら、不健康な精神生活を送っている人は、このような常識を失ってしまうことがあります。つまりライフテンプレートを越えた現実の人生の存在を認められず、あたかもライフテンプレートこそが本当の人生のように錯覚してしまうのです。社会的に活動している人でもライフテンプレートと実際の人生の違いが分からなくなってしまっている人が見受けられますが、ひきこもり本人にとくに多く見られる事象です。例えば、生きたい人生を先に観念的に決めた後で、自分がそのような人生のライフテンプレートに即していない(例えば受験に失敗した)ことを理由にして、自らの人生を呪ってしまうという場合があります。
もちろんそのような人に対して、その場しのぎの対応をすることもできます。すなわち、「まだ〇〇をすれば人生を取り返せるよ」といったアドバイスをするということです。しかしより根本的な応答は、「ライフテンプレートに尽くされない御しがたさ」という人生の本質に目を向けさせることです。その具体的な方法はケースごとに異なってきますが、助言者自身もライフテンプレートと実際の人生を混同する(ひきこもりに限らない)錯覚を捨てて、ひきこもり本人と向き合うという意識が重要になります。自分自身が人生をライフテンプレート通りのものと思いなしていては、ひきこもり問題を解決することはできないからです。
この記事で描写しようとした人生の観念化は、ひきこもり問題にたまたま伴う一つの現象ではなく、その本質でさえあるかもしれません。というのも、人生の観念化が起きていなければ、そもそも「自分は社会から孤立している」と思うこともないからです。ひきこもりの当事者は社会から本当に隔絶している訳ではありません。ただ就労等の特別な関係を取り結んでいないだけで、当人と社会との間には経済的・政治的・社会的なさまざまな関係が必ず残っているはずです(ひきこもりの当事者は当然ながら、決して人里離れた土地で自給自足生活を送っているわけではないのです)。その社会との関係を見過ごさせるように当人や周囲の人々を導くのは、実際のその人の社会的実態ではなく、「就労していなければ社会とつながっていない」「働かないでいる人生は人生ではない」といったライフテンプレートに他ならないかもしれません。そうであるならば、ひきこもり問題の解決のためには、人生の観念化という足枷に向き合うことも必要となってくるのです。
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