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のはt「結婚における二重構造(ASDと定型との付き合い方⑰)」結婚生活におけるASDと定型との摩擦、そして定型がどのように振る舞うべきか、について解説したいと思います。他の記事で解説している通り、人間関係について、定型は、ASDと比較した場合に特有な見方を持っています。定型の人間関係についての把握には、ある種類の二層性ないし二重性があります。逆に言えば、定型は人間関係を一層的または一重的なものとして把握していません。ここで一層的または一重的と言っているのは次のようなことです。各人が各人の管理する領域を持ち、他の人の領域には干渉しない。干渉することがあるのは何らかのイレギュラーな事態であり、相互不干渉の状態への復帰が目指されるべきである。つまり、定型にのみ特徴的であるような人間関係の把握は、各人が各人の管理する領域を超えて他の人の領域に干渉するような在り方を自然なものと捉えるということにあります。ASDと定型との結婚生活において、このような人間関係のモデルの違いは、どのように作用するでしょうか?このようなモデルの違いについて意識的でなければ、定型の側はASDとの結婚生活において両者の人間関係を二層的に設定しようとするでしょう。つまり穏やかな役割分担をするとしても、その役割分担からはみ出たものについては二人で一緒に取り組む必要があると考えるし、定型の側が担当している事柄(例えば育児)について相手にも関心を持って欲しいと思います。残念なことに、そのような二層的な人間関係の把握を、ASDの側が共有できない場合があります。すなわち役割分担によって結婚生活における役割を一度分担した後は、相手がその役割を果たしているかどうかについてだけ関心を持ち、それ以上の細部には立ち入らないということです。逆にASDは自分の役割とされたことについては定型よりもずっと信頼性が高い仕方で実行することができます。定型の側で両者の間の人間関係について一層的に把握するように対応を変えれば良いのですが、そうでないと摩擦が起きる恐れがあります。より特定の場面に絞って見てみましょう。定型と定型との間では、二層性は特に次の場面に現れます。それは一方が他方のために何かをやってあげるという場面です。両方とも定型の場合、何かをやってもらっている方は、何かをやってあげている方に対して、やってもらっている事柄についてのコミットメントを失ったという態度を取らないように気をつけます。それはその事柄について二層性を維持するということがそういった場合に定型と定型の間で規範として理解されていることだからです。ASDが定型に何かをやってもらっている場合に、ASDの側が両者の関係を一層的に見ていると、やってもらっている事柄についてのコミットメントを失いがちです。それは定型から見ると無責任に見えるという危険が出てくることになります。またコミットメントを失うと、そもそも相手が自分のために何かをやっているという関係性さえ無くなる場合があります。単に相手の役割になるということです。
他の色々な記事で、自閉スペクトラム症(以下ASD)の人と定型発達(以下定型)の人との間のミスコミュニケーションを論じてきました。もちろんコミュニケーショントラブルは、ASDの人と定型の人との間以外で起きる場合もあります。そこでより一般的にコミュニケーションの失敗を分析できれば、トラブルを未然に防ぐことがよりよくできるはずです。この記事では少々一般的にコミュニケーショントラブルについて考えたいと思います。
コミュニケーショントラブルのよくある発生パターンを描写してみましょう。登場人物はAとBとします。Aは(Aに対する)Bの特定の行動を望ましく思っていないとします。例えばAがBに対し習慣的によく贈り物をしているものと想定しましょう。他方、A自身はBから贈り物をされることは望ましくないと思っているとしましょう。このような状況下で、コミュニケーションのトラブルを避けるために、Bはどのように振る舞えば良いでしょうか?
おそらく、ほとんどの人は、相手が嫌がることは止めるという一般的な規則を適用して、Bは贈与をストップすべきであるという判断を下すでしょう。というのも、Bが贈与を続ければAに嫌われてしまうだろうし、それはAの望むところではないはずである、と考えるからです。もしかするとこのような事例における正しい振る舞いは一見して明白であるため、そもそもなぜこんな簡単な状況設定でトラブルが生じるのか、不思議に思われるかもしれません。
難しさは、Bの立場に立って考えてみるということにあります。第三者にとっては簡単なことでも当事者には難しいということがあります。ここでBにとって普通難しいのは、相手が自分の贈与に望ましくないと思っているということに気付くということではありません。第一にAとBの認識に相違があるとAが思っていることに気付き、そして第二に〈AとBの認識に相違があるということ〉をBが認識していないとAが思っていることに気付くということです。この第一の気付きと第二の気付きを区別することが重要です。しばしば、第一の気付きに到達していることだけで、認識すべきことを全て認識していると一方当事者が誤認してしまうという現象があります。本当に重要なのは第二の気付きで問題にしているような相手の認識によって相手から自分への否定的な評価が帰着するということに気付くことなのです。第一の気付きと第二の気付きを区別しないと、第二の気付きに到達していないということ自体に気付くことができません。こうしてミスコミュニケーションが上手く是正されない構造にはまり込んでしまうということがあり得ます。
自分自身がそのような状況に落ち込まないようにするための対処法としては、自分と相手に認識の相違があるという客観的状況を明示的に認めることです。黙って同じことを思うことと相手方にはっきりと言うことは、相手から見れば同じではありません! 相手から見れば認識の相違があるということを認識している相手なのか、認識の相違があるということを認識していない相手なのか、ということは全く異なります。もし何かコミュニケーショントラブルが発生しそうな状況が起きたら、自分と相手の認識の相違について語るように試してみてください。確実ではないものの、トラブルにならずに済むかもしれません。
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身近な人が自分の話に共感してくれない、という悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
いつも「なぜ共感してくれないの!」と思ってイライラしたり悲しくなったりしてしまっていませんか?いつもそういったことを繰り返していては心の健康を損なってしまいます。どうしたら良いでしょうか?
「自閉スペクトラム症の人は共感が苦手だ」と紹介されることがよくあります。しかし自閉スペクトラム症の共感能力というポイントについては、普通思われているよりも注意深く理解する必要があります。
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