ひきこもりの問題は、ご家族のメンバーが解決を急ぎ過ぎるほど、事態が余計に悪化してしまうものです。ひきこもり当事者は、その背景に様々な事情を抱えており、それぞれの類型にしたがってご本人の内面を正確に理解してアセスメントをすることから始めなければ、問題の本質的な解決は望むことはできません。

そこで、C＆Cの「ひきこもり家族コンサルティング」では、ご来所いただいたご家族のメンバーに対して、本人の成育歴を徹底的にお伺いすることを心がけております。長年にわたり支援機関へ相談に行っていたご家族の方が「これまで、こんなに丁寧に本人の成育歴を聞かれたことがありませんでした」と驚かれることがありますが、問題の解決のためには、ご本人の成育過程にかんする情報が必要不可欠であること、そしてこのカウンセリングは、ご本人と家族のメンバーの皆さまとのあいだの関係を調べるアセスメントでもありますことを、どうかご理解いただきたいと思います。

ご本人がひきこもり状態から抜け出すためには、まず第一に「家族への復帰」という段階を達成することが、問題解決のための大きな一歩となります。ご本人がひきこもり状態から脱出し、再び他者との関係を構築するカギは、ご本人の「思考・認知・情緒」にかんする家族の皆さまの理解を深めることにあるということが、これまでのカウンセリング事例から分かってきております。

ひきこもり家族コンサルティングでは、ご本人とご家族の皆さまとのあいだの関係を再構築するために、カウンセリングのほか、必要な知識や有効な対応のしかたなどを丁寧に解説する「レクチャー」を実施し、これらの習得を確実なものにしながら充実させるための「ホームワーク」に取り組んでいただくことになります。問題の解決のためには、家族の皆様から動かなければなりません。そして、必要な知識を身につけなければなりません。当相談室は、そのために一種の「教育サービス」を提供させていただきます。

家族への復帰という第一の目標が達成されたあとは、社会復帰という第二の目標へと歩み始めることになります。ここでも焦りは禁物です。少しずつ、外部のコミュニティ（趣味や習い事など、種類は問いません）とのつながりを形成していきましょう。ご本人が当相談室でのカウンセリングに興味をもっていただいた場合は、実際に来所していただき、そこでカウンセラーとコミュニケーションをとってみることも、立派な社会復帰です。

これまでのひきこもり支援では、多くの場合において「社会復帰＝就労支援」であると思い込まれがちでしたが、ひきこもりの原因が何であったかというアセスメントを無視した就労支援は、かえってリバウンドをもたらす危険性があります。ご本人のひきこもりが、どのような感情の表現なのかということを慎重に見極めながら、ご本人にやりたいこと・実現したいことはないか、全てはご本人がご家族のメンバーに復帰し、お互いのコミュニケーションを通じて少しずつ明らかにしていけばよいのです。そして、そのような希望が明らかになったら、その実現を支援していくのです。このような意味で、家族への復帰が社会への復帰の支えとなり、踏切台ともなるのです。

もちろん、ご家族だからこそコミュニケーションが難しいといった場合もあるでしょう。C＆Cのひきこもり家族コンサルティングは、そのような「お互いの歩み寄り」を成功させるための豊富な相談経験にもとづき、充実のサポートを提供していくための体制を整えております。