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ひきこもりオンラインハンドブック
ASDなどの共感が苦手な人と付き合うためのライフハック
(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人の付き合い方①)

パートナーはなぜあなたに共感してくれないのでしょうか?

身近な人が自分の話に共感してくれない、という悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

 

共感を持って話を聞いてくれる人と付き合うということは多くの人々にとって極めて重要なことです。特に自分のパートナーとは共感的に会話をしたいし、それがパートナーに求める第一の条件であるという方も多いと思われます。いつもいつも「なぜ共感してくれないの!」と思ってイライラしたり悲しくなったりしてしまっていませんか?いつもそういったことを繰り返していては心の健康を損なってしまいます。どうしたら良いでしょうか?

 

その悩みは何とかできる可能性があります。まず「なぜ共感してくれないの!」という不満から「なぜ共感してくれないのだろう?」という疑問に切り替えてみましょう。というのも不満を相手にぶつけるということを(おそらく)あなたは既に何度も試みていて(おそらく)何の成果も挙げられていないと思われるからです。一度冷静になってパートナーが共感してくれない原因を探ってみましょう。

 

もしかするとパートナーは、共感してくれないのではなく、共感できないのかもしれません。世の中には(あなたと違って)共感することが極めて困難な人もいます。自閉スペクトラム症(以下ASD)の人は他の人に共感することを苦手としています。あなたのパートナーは生まれつき共感することが苦手なのかもしれません。もしそうだとしたらあなたのイライラや悲しみも少し減るのではないでしょうか? というのも、あなたがイライラしたり悲しんだりしたのは相手があなたに意地悪をしていると思っていたためかもしれないからです。相手がしていることは相手の意地悪ではなく相手の生まれつきの特性であると知れば、あなたのショックが減ってくる可能性があります。

 

相手がASDであるかどうかはっきりさせるには、相手に精神科を受診してもらう他はありません。ASDであるかどうかの診断は医師が本人と直接会って行うしかないからです。ただし相手を病院に連れて行くことができる関係性ではないかもしれません。そこで以下では相手がASDであるかもしれないが医師の診断を受けてもらうことができないという方に向けたライフハックをいくつか解説します。

 

その前に一つ注意があります。ASDであるかどうかを判断するということは専門家でもかなり難しく、一般の方が判断しようとするとどうしても誤った判断を下してしまうということになりかねないということを知っておく必要があります。例えば、ASDの人が共感が苦手であるということを、ASDの人には感情がないという趣旨で受け取られる方がいらっしゃいます。それは誤解です。他の人と感情を共にすることができないのが共感ができないということであり、そういう人も感情自体は持っています(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。感情の表出を目撃して、共感しているからASDではない、と思い込むのは問題です。したがって他の人(自分であっても)がASDであるかどうかは医師の診断を得るまでは即断しないままにしておくことが賢明な対応だと思われます。

 

さて、ではライフハックについてお伝えしていきましょう。最初に必要なのは、自分が共感してくれないと思ったケースについて記録をつけ始めることです。その場合、どういう状況でどういう発言があったのか、なるべく細かく記録しましょう。特に発言を直接話法で(相手が口にしたままの言葉で)記録しておくことが重要です。こういった記録は、後で専門家に相談する場合にその人があなたの意見から独立に客観的事実を判断するためにぜひとも必要なものです。

 

あなたがつけた記録は、あなたが相手とのやり取りで問題になっているパターンを把握することにも役立ちます。もしかするとあなたと相手はいつも特定の活動に関してトラブルになっているかもしれません。例えばゴミ出しのタイミングに関するトラブルなどです。そういったトラブルで相手と揉めることがいつも起きるようなら、そういった状況自体をあらかじめ避けることで相手と難しい話し合いになることなく済むかもしれません。避けられるトラブルは避けていきましょう。

 

反対に、あなたが相手と話す場合に安心して話せる話題はありませんか? ASDの人は社会的なニュースになっていることを話すことに関しては問題がないという方が多いです。もしあなたがテレビで見たニュースについて話すときは相手との関係に問題がないということに気付いたら、テレビに出てくるニュースについてだけ話してみてください。例えばグローバルな環境問題に話し合ってみてください。トラブルが大きく減る場合があります。しかしこの解決策は共感について悩まれる方にとって十分とは言えません。そもそも社会的なニュースの場合は共感の必要性が乏しく、だからこそ共感が苦手な人も会話するのに困難がないからです。プライベートな事柄に近付けば近付くほど共感の必要性が高まり、相手が共感してくれない可能性が高くなります。

 

ここまで述べてきている通り、共感が苦手な人と話すコツは、相手が共感しなくて済む状況で相手とやり取りするということです。相手の苦手なことを相手に要求していないのですから上手くいくのは当然です。しかしこのタイプの対策は、あなたが単に我慢するという意味ではないということに注意が必要です。それでは今までと同じになってしまいます。ポイントは、あなたが相手に共感を求めなくて済むような環境作りです。あなたが相手に共感を求めてしまうような話題では、共感を求める自分の心を押さえつけて話す必要が出てきてしまいます。あなたが共感を求める話題をそもそも相手と話すことを控えるということが大事です。

 

それでは結局、相手に共感してもらうことを諦めるということか?と思われるかもしれません。それはある程度はその通りです。パートナーが共感を苦手としている場合、共感して話を聞いてくれる人をパートナー以外に見つけるということが圧倒的に簡単な対応策です。話を聞いてくれる人を努力して探す価値があります。ただし本当によくあなたのことを理解してくれる相手である必要があります。パートナーと上手くいかないことであなたを責めるような人に相談するのは止めましょう。

 

最後に、どうしても相手とやり取りしなければならない状況では、なるべく客観的に振る舞うことで上手くいく場合があります。あたかも第三者に生じた出来事であるかのように語ることで、あなたからも共感を求める気持ちが減り、結果として相手にとって理解が容易になるからです。だからメールや手紙の文章にしてみるというのも良い方法です。自分自身で客観的になるために有力な手段ですし、相手も文章で見る方があなたの伝えたいことを誤解なく受け取れるでしょう。

 

いくつかのライフハックをお伝えしましたが、何より重要なのはあなたの個別的な事情を適切に考慮することです。手当たり次第にやってみるよりも、落ち着いてパターンを認識する方が状況の改善に役立ちます。当相談室はパートナーとの共感問題に悩まれる方をお助けする専門家集団です。お困りの際はぜひご連絡ください。個別的な事情を踏まえた最適な助言を差し上げます。

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