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ひきこもりオンラインハンドブック
ASDと定型の結婚生活の摩擦を減らす即効的かつ一般的なアドバイス
(自閉スペクトラム症の人と定型発達の人との付き合い方

ASDと定型の結婚生活を
より良いものとするために…

今日

自閉スペクトラム症(以下ASD)の人と定型発達(以下定型)の人との摩擦が一番典型的に生じる領域は、結婚生活です。夫婦の一方がASDで他方が定型の場合にコミュニケーション上の問題が発生することがあります。特に結婚生活において両者が摩擦を生じさせがちなのは、なぜでしょうか?

 

色々な記事で解説している通り、ASDの人と定型の人ではコミュニケーションのスタイルが異なります。その違いは社会的接触がある全ての場面で問題を引き起こす可能性があります。しかし家庭内における両者の摩擦が最も深刻なものの一つになります。

 

その理由は二つあります。一つには、公共的な空間では、定型の人もASDの人にとって対応しやすい行動パターンを採用していることが多いからです。できるだけフォーマルで画一的で予定された行動が定型の人にもASDの人にも求められ、その範囲ではASDの人にとって特に不得手とすることが起きません。したがって両者の摩擦が比較的多くなるのは、定型の人が公共的なところで採用している規範を脱ぎ捨ててくつろぐ私的空間においてになります。もう一つは、家庭的な場面で問題が生じていても家庭の外側からは生じている問題を把握することが困難であるということです。というのも、ミスコミュニケーションの問題を他の問題と混同せずに第三者に説明することが難しく、当事者(の一方)が苦しんでいても誰にも理解されないということが一般的であるからです。

 

では、この深刻な問題に当事者はどのように取り組んでいくべきでしょうか?結婚生活におけるASDの人と定型の人との摩擦は非常に多岐にわたります。したがって一つひとつの問題を区別して議論する必要があります。しかしこの記事ではひとまず役に立つ一般論をお伝えしましょう。それはそもそも両者が接触する場面を減らすことであったり、やり取りを口頭ではなく文面で行うことであったりします。次に、相談相手を見つけましょう。相談相手になりうるのは、客観的状況と当事者の主観の両方を把握してくれる人です。型通りのいわゆる常識的なコメントをしてくれるだけの人でも足りませんし、一緒になって怒ってくれるだけの人でも足りません。知人の中で判断力を信用できる人物を選びましょう。もし知人に頼れる人物がいないのであれば、何らかの相談機関に相談するのが望ましいでしょう。これらの方策は、きっと実践した人の心を軽くしてくれます。

 

上のような対応策は直ぐに採用していただきたいのですが、より長期的にはASDの人と定型の人の少なくとも一方が相手についての理解を深めることに取り組む必要があります。根本的には、当事者の相互理解が無ければ、ミスコミュニケーションの問題を改善できないからです。そのためにも、当事者の一方がまず相手方を理解することが必要になります。とても長い道のりですが、一つ一つ取り組むことで必ず生活が改善していくものです。諦めずに試行錯誤することをお勧め致します。この問題については他にも複数の記事で扱っていますし、今後とも情報発信していきたいと思いますので、C&Cのwebサイトを定期的にチェックしてみてください。

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