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ひきこもりオンラインハンドブック
「自閉スペクトラム症の人は共感が苦手」
しかしそもそも「共感」とは?

「自閉スペクトラム症(以下ASD)の人は共感が苦手だ」と紹介されることがよくあります。確かにこの点について適切に理解することは、ASDの方と上手くコミュニケーションを取る上でとても重要なことです。しかしASDの共感能力というポイントについては、普通思われているよりも注意深く理解する必要があります。

 

最初に、共感できないということは、喜怒哀楽をはじめとする感情を持っていないということとイコールではないという点に注意が必要です。共感が苦手なASDの方でも、当然ながら楽しいことがあって笑ったり、不快感を表したりすることはあります。逆に、そうした感情が表れてくるからといって、ASDでないとか本当は共感能力が高いとかいった証拠にはなりません。共感できないということは、その人の中に人間らしい感情がないということではないのです。

 

そうではなく共感能力の欠如とは、他人の感情に触発されて自分も同じ感情が生じるという経験の欠如、平たく言えば「他人と喜怒哀楽を共にする」という経験の欠如であると言えます。定型の人(ASDでない人)には、他人が笑うのにつられて笑ったり、話し相手から沈痛な面持ちで悩みを相談されて、自分も重苦しい気分になるといった経験がしばしばあるでしょう。しかしASDの人は、相手が楽しげに笑い話をしていても、当人は反応に乏しく仏頂面で聴いているというようなケースが見られます。

 

こうした態度を目の当たりにすると、当たり前のように他人と喜怒哀楽を共にする定型の人の目には、ASDの人は「無礼な人」「不気味な人」と映ってしまうかもしれません。しかしASDの人は決して冷酷非情なわけでも、楽しいという相手の気持ちを認識できないわけでもありません。ただ、定型の人には当然のように生じる、他人から自分へという感情の連鎖反応がしばしば見受けられないのです。

 

もちろん、ASDの人と定型の人が一緒に話していて、二人が同時に面白がったりするシーンはあるでしょう。しかしだからといって、これだけで「やっぱりASDでも共感能力があるんだ」とか「共感してくれるということはASDではないのでは」と思い込むのは性急です。例えて言えば、これはどこかで大きな音がして、二人の人が同時にハッと驚いたときと似たような状況かもしれないからです。二人は同じ原因で別々に驚いただけで、一方が驚いたから他方も驚いたわけではありません。同様に、ASDの人が笑ったのはその話題が自分好みで面白かっただけで、相手が笑ったから共感して笑ったわけではないということも十分ありえます。

 

複雑なことに、ASDの人自身が「共感」を重んじている場合があります。しかしこの場合もやはり、先ほどのように結論を急ぐことは性急です。その人が重視しているのは喜怒哀楽の共有ではなくて、単に自分の意見と相手と意見が一致していること、あるいは自分の意見に相手も賛同してくれることであるケースがあります。このようなケースでは、相手が「共感」を求めているからと相手の感情に寄り添ってみようとしても歓迎されず、本当に求められているのはお互いの考えの異同を明らかにする「議論」かもしれないので、注意が必要です。

 

最初にふれたように、ASDの人は共感が苦手だというよく紹介される特質は、ASDの人と円滑にコミュニケーションする上で確かに理解しておく必要のある点です。しかしその際ぶ注意深く理解しておくべきことは、ASDの人は他人が持っている感情を持ち合わせていないのでも、他の人と意見を同じくすることができないのでもなく、他人の感情に喚起されて自分もその喜怒哀楽の情を共にするのが苦手だということでした。この点を理解することで、ASDの人に「共感するのが当たり前」という定型の人の常識を押し付けることなく、またASDの人の一見して心無い振る舞いに傷ついてしまうという悲しいすれ違いもなく、コミュニケーションを取ることがよりストレスの少ないものになるでしょう。

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ご家庭内でのコミュニケーションに悩む依頼者様には、「ご自宅にご自身だけの部屋はありますか?」と必ずお聞きしております。そしてもし自室をお持ちでない場合は、自分自身だけが過ごすことのできる部屋を作っていただくようにお願いしております。物置になっている部屋を片付けたり、家族のメンバーに一人暮らしをしてもらったりすることで、ご自身だけの部屋を用意することは(困難な場合もあるでしょうが)不可能ではありません。自室を持たれることを強くお勧めしているのには、重要な理由があります。

正論との向き合い方(ASDの人と定型の人との付き合い方⑥)

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共通の関心」への関心の有無(ASDの人と定型の人の付き合い方⑱)

定型発達の人どうしの会話、特にお互いに定型である友人どうしの会話には、共通の関心について語り合う、盛り上がるということが含まれています。自閉スペクトラム症の人と定型発達の人の間でも共通の関心について楽しく話すという場合はありますが、その細部は定型発達の場合と多少異なっているようです。

性格と障害を区別する(ASDの人と定型の人との付き合い方⑲)

自閉スペクトラム症(ASD)の人と定型発達の人が付き合い方の特殊なケースとして、ASDと思われる人がASDであるかどうか医師の診断を受けていないというものがあります。そういった場合に本当に問題になっていることは、(ASDと分かっている人ではなく)ASDと "思われる" 人と定型の人との関係である訳ですが、こういった関係についても考察して見ましょう。定型の側で相手がASDであるかどうか思い悩む際に定型の人が直面する一つの問題は、相手の特異性が性格によるものなのか、障害によるものなのか、という点について生じます。

協議を避けずに家計を運営する(ASDの人と定型の人の付き合い方⑳)

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理由を追求せず、原因を探索する(ASDの人と定型の人との付き合い方㉑)

特に夫婦間でASDと定型のミスコミュニケーションが深刻な場合、いつも同じようなミスのパターンに落ち込みがちだということがあります。そのパターンというのは、定型発達(以下定型)の側が(定型が不満を持った)自閉スペクトラム症(以下ASD)の人の行為に対して問い詰め、それに対してASDの側が上手く対応できないというものです。ASDの側の対応は、単純な無言ということもありますし、その場にそぐわない奇妙に聞こえるものであることもあります。

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