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C&C ひきこもり家族コンサルティング
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ひきこもり問題が社会問題化して久しく、行政やNPOなど様々な主体がひきこもり問題の支援事業に取り組んでいます。そういった支援事業の現場では、ひきこもりご本人やご家族と直接面談される相談員の方がいらっしゃいます。そういった相談員の方の活動如何によって、ひきこもり事態の改善が大いに進むこともありますので、相談員の方は重要な役割を果たされていると言えます。しかしながら、現時点ではそういった相談員の方が具体的に何をするべきなのか、仕事の規範的内容があまり社会的に共有されていないと思われます。そこでこの記事では、C&Cのひきこもり家族カウンセリングの相談経験と事例研究から得られ、これまでひきこもりオンラインハンドブックでたびたび論じてきた「相談員の方が気をつけたいポイント」をまとめます。
まず、相談員はご本人やご家族の方のお話を共感的に傾聴する必要があります。この点は相談員の方の教育過程においてどこかで強調されていたと思われます。ご本人やご家族は、ひきこもり事態に由来する諸問題のために概ね疲弊されています。相談員の方が協力的な態度を少しでも欠かすようなこと、またご本人やご家族に寄り添った話の受け止めができないことがあれば、ご本人やご家族をさらに疲弊させてしまうことになりかねません。だから、話をどのように聞くべきなのか、という段階で一つのポイントがあります。
次に、矛盾するようですが、相談員の方は、ご本人やご家族の話を鵜呑みにしてはいけません。例えば、ご本人やご家族が客観的な事実に反することを述べている場合や、社会通念に著しく反することを期待している場合は、相談員の方がそういった相談者の態度に心理的にコミットしてしまうことには問題があります。相談員は相談員として、相談者とは心の距離が取れている必要があります。
以上の一見すると矛盾する二つの態度は理想的には以下のように統合されるべきものです。すなわち、一方では相談員は相談者のお話しを共感的に受けとめることで、相談者の精神的な疲弊を軽減させることを試みる。他方で、そうすることで相談者の方に心理的な余裕が生まれたところでは、客観的な事実や社会通念に反する相談者の考えを適切に修正できるような働きかけを行うということです。
この二つの態度は、C&Cの整理では、相談者の主観的・心理的側面に寄り添うことに重点がある「カウンセリング」と、相談者の置かれている客観的状況を分析して問題解決の方向性を積極的に示していく「コンサルティング」に対応するものです。いささか本論からは脇道に逸れますが、当社C&C、すなわち「カウンセリング&コンサルティング」では、「カウンセリング」と「コンサルティング」という、この二つの態度の先に述べたような統合を志向しています。
相談員の方へのアドバイスに話を戻しますと、いま述べた客観的な問題解決ということとの関連で、相談員の方は、客観的な問題を発見する、いいかえれば、支援の客観的な必要性を探す話の聞き方をしなければいけません。ひきこもり状態は何らかの支援の必要性を推測させる類型ですが、それ自体が公共的に非難されるべきライフスタイルではないため、類型自体を解消させようとしてはいけません。支援の必要性を無視して類型自体に該当しなくなるように働きかけることは、ひきこもり問題の場合、いわゆる引き出し屋の行為に当たります。そういった行為は、支援の必要性を発見し、当事者が支援を受け取れるようにするという相談員の方の任務に真っ向から反するものです。相談員の方において、客観的な支援の必要性を積極的に事案の中に見出すという姿勢が求められていると言えるでしょう。
さらに、問題解決のために支援の客観的な必要性を探るとはいっても、それは必要な支援を相談員がすべて行うことを意味しません。相談員の方は、事案が必ずしも自らの担当に収まらないということを認識するべきです。例えば、法律問題は相談者が弁護士に相談するべきですし、医学的問題は相談者が医師に相談するべきものです。そういった専門家達の代わりに相談を受けることは、法的な問題ともなりうるため、相談員の方は避ける必要があります。
また、ひきこもり事態に固有の事情でも複雑なものになれば、現場の相談員の方が自らの知識や経験で解決できないものになることはあり得ます。そういった場合も、必要な知識や経験を求めて、より専門性の高い機関に対して助けを求めるべきです。こういった仕方で相談者と関わるべき場合に当たるかどうかの判断は、現場の相談員の仕事になっていると言えると思われます。そのため、相談員の方はどのような問題や支援にはどのような専門家が相応しいのかについて理解しておく必要があります。
このような諸々のポイントに注意して活動されることで、相談員の方の力が十分に発揮され、ひきこもり事態の適切な改善に繋がっていくことが期待できるように思われます。
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以下は関連する記事へのリンク集です。より詳しく知りたい方はぜひリンク先をご覧ください。
C&Cの理念(2) なぜカウンセリングとコンサルティングの両方が必要なのか
C&Cの方法(1)カウンセリングとコンサルティング ひきこもり問題にとってコンサルティングが不可欠な理由
C&Cの方法(2) カウンセリングとコンサルティングの相乗効果
相談を通じた引きこもり問題解決への標準的な流れのアウトライン
コンサルティングの前提条件について C&Cがコンサルティングの提供に慎重である理由
ひきこもり相談の客観性を支える当相談室独自のアプローチと仕組みについて
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身近な人が自分の話に共感してくれない、という悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
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「自閉スペクトラム症の人は共感が苦手だ」と紹介されることがよくあります。しかし自閉スペクトラム症の共感能力というポイントについては、普通思われているよりも注意深く理解する必要があります。
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