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ひきこもり:発達障害診断後の診断名の活用法

C&Cではひきこもり問題の解決の一助として、ひきこもりご本人の方が医師の診察を受けられるように、ご家族の方にアドバイスしております。というのも、ひきこもり状態の背後には発達障害が存在することが多く、発達障害であるかどうかをはっきりさせることによってご家族とご本人のコミュニケーションを円滑化することができるからです。しかし、仮に発達障害であるとの診断が出たとして、その診断名をどのように活用していけばよいのでしょうか? この記事では活用法に関して考えてみたいと思います。

 

第一に、これは活用法というよりも活用の前提となる事柄ですが、当事者や関係者が診断事実について適切に理解するということが必要になります。医師の任務は診断名を告げ、簡単な説明を与えることであり、発達障害という状態像を踏まえて実際に生活改善に取り組むためには、本人や家族が自分自身で情報を集めていくことが必要になります。ネット上には発達障害者向けのライフハックも多いですし、カウンセラーなどの専門家にも、診断名を開示して助言を求めることができます。生活の中での困りごとがそもそも発達障害に由来しているということを一応把握するだけでも、ある程度の時間が必要になります。従来は本人の性格や努力不足や無教養のせいにされていたような問題も、発達障害による問題として新たな位置付けを与えられる必要があります。このように多様な事実が一つの障害に集約されてくると、見通しが良くなって生活の質が向上していきます。

 

第二に、診断名に紐付けられている社会的な仕組みを利用することです。発達障害という障害は社会的に認知され始めています。国の制度でも支援団体でも、発達障害の方の被っている不利な状況を緩和しようと、多くの支援が準備されています。これらの支援は前提として当事者が発達障害であるという事実が必要になります。医師による診断はその点を確保するものとなっているということです。一点注意が必要なのは、本人自身が自分自身の障害についてある程度の理解を持っていることも制度利用の事実上の前提になってしまっているということです。そもそも障害に起因する困りごとであるという発想が無ければ、その困りごとを社会的に解決して欲しいという発想もできないからです。従って制度利用の前に、あるいはそれに並行して、本人や家族が障害についての理解を深めるということが必要不可欠になります。

 

発達障害であるとの診断を医師から受けることによって、社会的に通用する特定のカテゴリーに分類されることになります。人間の認知資源は有限なので、社会的にカテゴライズされた分類を利用して他人とコミュニケーションできることは、大きな資源節約になります。診断名を積極的に活用し、ひきこもり本人や家族が困っていることに対して第三者の支援を呼び込むことが大切です。

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