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ひきこもりオンラインハンドブック
コミュニケーションが泥沼化するトラブルを生み、悩みが尽きないのはどうしてか?

コミュニケーションのトラブルは、
発見が難しく内面の問題に転嫁されやすいことから、複雑化してしまいます

コミュニケーショントラブルのあり方は様々です。相手との関係性を容易に切ることができない場合、例えば会社や家族など、コミュニケーションが上手くいかない場合に人間が感じるストレスは相当なものです。しかしながら、困難から逃げることができないという点自体は人間の普遍的状況であって、特にコミュニケーションに固有の難しさではありません。では、コミュニケーションに固有の難しさは何でしょうか?

 

第一に、コミュニケーションが上手くいっていないということの認識自体が難しいということがあります。コミュニケーショントラブルに陥っている人は、自分がコミュニケーショントラブルに陥っているということに気付いていないことがあります。これは少々信じ難いことですが、ありがちなことです。この現象の原因を考えてみると、原因はおそらくコミュニケーション上の問題が他の問題に転嫁され、隠されてしまっているということにあるものと思われます。コミュニケーションが上手くいっていないと、相手の能力を疑問視したり相手の悪意を想定したりします。例えば、「これぐらいのことは常識だろう」と思い込んで誰かに大まかに何かを依頼した結果、望んでいたのとまったく違うことをされてしまったとします。こうした場合には、そもそも依頼の内容をきちんと伝達すべきであったことが看過され、相手を怠け者、常識のない人、自分を邪魔しようとしている人などと誤解してしまっているケースが考えられます。このような問題の転嫁により、コミュニケーションこそが問題を生じさせており、コミュニケーションの円滑化こそが課題であるということを悟れない場合が多いのです。

 

第二に、コミュニケーショントラブルは、自分自身を責めることを引き起こしやすいということがあります。本来自分と相手との間のコミュニケーションに関わる問題を、自分だけの領域の問題に転移させてしまうと(誠実な人にほどありがちなことです)、問題が自分の心理や人格の問題と見なされて複雑化していきます。しかし本来、コミュニケーションの問題を他人だけのせいにするのが間違いであるのと同様に、自分だけのせいにするのも誤りだということには変わりありません。にもかかわらず自分自身を責めている人を当人の規範意識から解放することは、比較的に難しい仕事になってきます。

 

これらの問題点からすれば、コミュニケーション問題は、人間の他の様々な諸問題のなかでも特徴的で複雑で難しい領域を構成していると言えるでしょう。したがって、コミュニケーション問題に関する専門的な知見でもって当たることが望まれるところです。C&Cの事業活動は、そのような社会的使命に少しでも貢献することを目指しています。

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