C&C ひきこもりオンラインハンドブック
相談を通じた引きこもり問題解決への標準的な流れのアウトライン

この記事では、引きこもり問題に関して来談された場合に、どのように引きこもり問題の解決へ向けてC&Cがご協力できるのか、ロードマップを提示したいと思います。必ずしも以下の順番で進む訳ではなく、個別に様々な事情が発生しますが、大まかに相談の流れについて解説します。

まず最初にやらなければならないことは、依頼者の方のお悩みをしっかりお聞きするということです。ケースの全体像を把握しないと、重要なポイントを見つけたり、上手く問題を解きほぐしていくことはできません。最初のお聞きしたことだけでは量的に十分でなかったり事情が変更したりする場合もあるので、お話をお聞きすることはケースの進展の中でも続けさせていただきます。いずれにせよ、最初に全体像を理解するということをC&Cでは重視しております。

次にそのような全体像に基づいて、依頼者の方のご要望を明確化させていただきます。来談される方の多くは、何をご自身で求められているのかについて、さほど明確ではありません。もちろん引きこもりご本人が自立して欲しいという目標はお持ちですが、自立と言っても色々な種類がありますし、心理職以外の専門家のコミットメントも必要になる場合があるので、ご要望はご要望で詳しくお話いただく必要があります。

さらに、ご家族だけのご要望ではなく、ご本人の意向も確認しなければなりません。大抵の場合、ご家族とご本人との間のコミュニケーションは上手くいかなくなっています。そのような悪化した関係をそれ以上悪化させず、必要な事柄（例えばご本人のご意向）を聞き出して上手く解決への道を探っていくということが、C&Cがお手伝いできることの中核をなしています。

引きこもり問題の背後には、引きこもりご本人と社会との関係が悪化しているという事情があります。その事情は様々ですが、発達障害が関わっている場合もあります。発達障害が事案に関わっていそうな場合は、精神科の受診をお勧めすることもございます。ご本人がご自身の客観的状況を把握させることは、引きこもりご本人と社会との関係が改善することに向けて非常に効果的だからです。そういった場合にご家族とご本人がどのようにコミュニケーションすべきかについてもアドバイスさせていただいております。

引きこもりご本人が就労できず財産も持っていない場合は、誰かに扶養されるか、生活保護を受給しなければなりません。しかしそういった状況は常に明らかであるわけではなく、関係者全員が共有できるようになるには事情を整理していく必要があります。そういった事情の整理についてもご家族がイニシアチブをとって進めていくために必要なアドバイスをC&Cで提供させていただいております。

最終的には、何らかの仕方で本人が生活していくことができるという見通しを無事に立てられて、依頼が終結するということになります。もちろんこれ以前にC&Cへの依頼が終了してしまう場合もあります。しかし、C&Cのコミットメントは別にしても、ご本人様が追い詰められずに生活できる形態を構築することは引きこもり問題において関係者の方に常に留意していただきたいと思います。以上が相談の大まかなアウトラインになります。

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