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支援の必要性と支援の同意を区別する意義について(支援の三段枠組みを展開する)

三段階支援枠組みでは、支援の類型と支援の必要性と支援の同意を区別します。支援の必要性と支援の同意を区別して後者を要求することは当たり前に過ぎると思われ、わざわざこのように段階として括り出す意味がよく分からないという人もいるかもしれません。しかしながら、支援の同意を支援の必要性と並ぶステップとして区別することには、重要な意味があります。

 

それは、支援の必要性を客観的な事柄に純化させるということです。支援の必要性という段階は、支援の必要性を客観的な根拠によって基礎付け、その必要性に見合った内容の支援を確定する段階です。ここでは、必要性が客観的に判定されていますし、それに対応するような仕方で支援が構想されるので、話は完全に客観的になっています。支援の同意の対象はまさにこの客観的に確定された支援内容に対して行われます。

 

これが重要であるのは、支援が支援である所以は、その必要性が客観的に確定されているということにあるからです。逆に言えば、本人が主観的に求めていることに応じるのは、親切ではあっても支援とは言えません。もちろん親切は大抵の場合には行われるべきことですが、それを支援と混同しないようにすることには意義があります。なぜならしばしば要支援者が周囲の人々に要求することは、本人や周囲の人々にとって害になること、あるいは社会的に不適切なことであるからです。支援のつもりであっても、必要性を客観的に確定するという視座が無ければ、知らぬ間に本人の要求に無批判に従うということになりがちです。これは危険を伴うコミットメントです。

 

支援枠組みにおける支援の必要性と支援の同意の区別は、このような混同の危険を予め減らすことに役立つ仕組みです。というのも、先に必要性についてだけ考えることによって、客観性を確保することができるからです。もちろん実際には、本人の同意が期待できないような支援については(必要でないとは言えなくても)検討を省略するということはありうると思われますが、論理的にはこの三段階の順番で考えることで、支援が支援でないもに逸脱していくことを予防することができるのです。

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