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ASD(自閉症スペクトラム症の人、以下同様)と定型(定型発達の人、以下同様)のミスコミュニケーションを分析するためには、一義性と両義性というタームを導入することが役立ちます。さらに多義性というタームもあります。この記事は、これらのタームを解説し、どのようにこれらのタームでミスコミュニケーションを分析すべきなのかを説明します。
まず両義性というタームを説明しましょう。両義的というのは、一連の発言や態度の内容が確定せず二つの意味内容を持つということです。例えば、昼ご飯を作る約束をしている相手に「昼ご飯は作らないよ」と告げつつ、結局は昼ご飯を作るといった場合に、両義性が観察できます。しかしながら、このように言葉にしてしまうと両義性の真のポイントは隠れてしまいます。両義性の本質は言葉にできないような曖昧さにあるからです。次に、一義性について言えば、これは両義性の反対です。つまり一義的であるというのは、発言や態度が一意に定まっているということです。
両義的であることと一義的であることは、規範的評価と結び付いています。我々の社会は少なくとも公式には一義的であることを評価しています。両義的なことを一義的なことに変換していくことが考えることであり、働くことでもあるからです。他方でマジョリティは本音ではそのような変換に窮屈さも感じており、両義的な方向に回帰することも(インフォーマルに)追及しています。
定型とASDではどの程度まで両義的でありどの程度まで一義的であるかの水準が異なっています。定型は比較的両義的であり、ASDは比較的一義的です。問題があるのは、定型から見るとASDの一義性は肯定的に評価されやすいということです。それは定型にとっては両義的なことを一義的なことに変換することは骨の折れることであり、その難しさをASDが達成したと定型が誤解してしまうからです。肯定的に誤解する分にはあまり問題がないのですが、このような誤解はASDの特性によって生きづらさが発生している場合にそれに本人や周囲の人が気付く障壁になってしまうこともあります。
ASDの一義性が定型の両義性と摩擦を起こすことがあります。ASDはそもそも定型の両義性を自分の場合に当てはめて理解することができないからです。ここで一義性が規範性と結び付いていることが仇となります。ASDにとっては定型が肯定的に評価することを行っているはずなのに、トラブルが絶えないからです。ASDと定型とのミスコミュニケーションに気付いてその点を指摘できるほど全体像が分かっている定型も珍しく、お互いに誤解したまま終わるということが通常です。
話をややこしくするのは、多義性という別のタームです。一義的になっていくと、両義性がカバーしようとしていた範囲を一つ一つ言葉や行為が覆っていくために、一つの言葉や行為が多義的な意味を持つということがあります。多義的というのは、複数の明確に区別された意義を持つということです。この段階になると、ASDは定型よりも把握に困難を感じやすいように思われます。他方で、両義的な人は多義性を両義性と混同しやすい傾向があります。
具体的な場面で一義性と両義性を多義性と区別して認識し、しかもそれを(自分と傾向性が異なる)他人と共有していくということには大変な努力が必要です。しかしながら我々の社会が基本的に両義性を一義性に変換し、さらに多義的にしていくことを目指している以上、このような変換に対応する必要があります。簡単なケースを一つひとつ検討しながら、これらのタームを習得することが望ましいと言えます。
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