C&C ひきこもりオンラインハンドブック
「暴力は絶対に容認しない」　引きこもりの家庭内暴力への対応原則

C&Cが引きこもりの一部のケースで必ず依頼者の方にお伝えしていることがあります。一部のケースというのは、引きこもり本人による暴力（か暴力に匹敵するような暴言）があるケースです。そういったケースでは、C&Cは依頼者の方に暴行を決して容認しないようにお願いしております。この記事では引きこもりにおける家庭内暴力についてポイントを解説します。

家庭内暴力を容認しないとは、どういうことでしょうか。それは第一に引きこもり本人が暴力に及んだ場合に、暴力を止めるように引きこもり本人に対して要求することです。意外なことに、相手が実際に暴力に及んでいる際に毅然とした態度で暴力を止めるように要求することは、中々難しいことです。継続的な暴力の場合は特に、相手方が暴力を正当化する理由（大抵は過去の被害に関する報復）を述べており、その正当化を一部受け入れてしまっていると、相手の暴力を言葉で制止することが困難になります。しかし、相手方の正当化を決して受け入れず、暴力に正当性を認めないというスタンスを固持しましょう。（もちろん暴力の程度が激しい場合は、暴力を止めるように要求するだけでなく、暴力を受けないように退避すべきです。）

家庭内暴力を容認しないことの第二の内容は、第三者に対して、引きこもり本人の暴力を前提とした要求はできないということです。既に述べた通り、我々の社会の中では報復のためであっても暴力行為に及ぶことには正当性が認められていません。もし引きこもり家族または引きこもり家族が助けを求めた第三者が暴力を容認してしまうと、社会一般の共有された前提からずれてしまい、家族と第三者が共通の土俵を築くことができなくなってしまいます。引きこもり本人や家族がしばしば社会的孤立に追い詰められてしまうのは、社会的に通用しない前提を置いてしまったためであることが頻繁にあります。

コミュニケーションが上手くいかなくなると、暴力にはいかなる正当性も認められないという簡単な原則さえ忘れられてしまいます。そこで、引きこもりの家庭内暴力のケースでは、いかなる理由によっても暴力が正当化されることはないという我々の社会の大原則に意識的に立ち戻ることが不可欠になっています。いかなる理由によっても暴力が正当化されることはないということを信じていれば、相手の正当化に影響されにくくなるからです。

そしてその原則に立ち戻るために大事なのが、外部の支援者と繋がることです。上の話とは逆に、引きこもり家族とその他の支援者の間で暴力は許容できないという土俵を上手く築くことができれば、それが暴力を止めるように要求する勇気を引きこもり家族に与えるからです。

以上の理由のために、C&Cでは引きこもり家族と連帯して暴力を容認しないということを問題解決の根本においています。暴力は絶対に容認しない。このことを合言葉にして、引きこもり問題の解決に取り組んでいきましょう。

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