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相談機関に来所される「ひきこもり」のケースでは大抵「支援の必要性」が確認される理由(支援の三段枠組みを展開する)

多くの記事の中で、支援の類型と支援の必要性を区別することが重要であると論じてきました。この区別が大事なのは、支援の類型への該当事実そのものを消滅されることが支援に他らないと誤って理解されることを防ぐことです。例えば、引きこもり本人を家から無理矢理引き出すいわゆる引き出し屋の行為は、このような誤解に基づいて引きこもりを「解決する」ものであり、支援ではありません。

 

しかしながら、他方で、相談機関に実際にご家族が来所されるケースのほとんどは、よくお話を伺っているとその中に支援の必要性を内在させています。だから、支援の類型には該当するが、支援の必要性はないというケースはあまり見つからないのです。とすると、支援の類型と支援の必要性という枠組みの重要性が再び疑われるかもしれません。

 

引きこもりのケースについては、これは次のように説明することができます。そもそも引きこもり状態にあるが、特に発達障害の特性を持っていない(他の理由がなければ)支援の必要性がない人は、責任に関するコミュニケーションに問題がないので、家族等の身近な人から不安視されにくいということがあります。反対に、発達障害の特性を持っている人は、家族に対して自らの将来設計を効果的に提示することが比較的苦手であり、結果として家族に不安を生じさせてしまう傾向があります。そして、ご家族はご本人の将来に不安を抱いた時に相談機関に来所されるのです。

 

このような事情があるので、客観的に引きこもり状態にある人のうちで、つまり支援の類型に該当する人のうちで、責任に関するコミュニケーション不全によりご家族に不安が生じている場合が、相談機関で取り扱われるものになると思われます。だから、相談機関においては、支援の類型に該当している場合は、支援の必要性もほとんどの場合で存在すると考えてもあながち間違いではないということです。それにもかかわらず、支援が隠蔽にすり替わるのを防ぐために、支援の類型と支援の必要性を区別することは依然として相談機関にとっても重要であるということも言えるのですが。

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