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ひきこもり当事者からの「親の責任追及」を免れるために親が果たしておくべき責任

ひきこもり問題に早期に取り組めた場合に注意しておきたいことがあります。ここで早期というのは、ひきこもり本人がまだ二十代前半の年齢である場合を指します。この記事では運良くひきこもり問題に早期に取り組めた方に向けて、気を付けるべきポイントを解説したいと思います。

 

ひきこもり期間が長期化していない場合の方が、解決の可能性が高いということは一般に指摘されています。ひきこもり本人が二十代前半の場合は(不登校期間と合算して)ひきこもり期間も10年以内ですし、全体の中では比較的深刻でないケースであると言えます。しかし、そういった時期に油断して時間だけが過ぎてしまうと、ひきこもり問題を解決することが難しくなってしまいます。

 

ひきこもり本人が二十代前半であるうちは、周囲の同年齢の方との差異もあまり目立たず、本人も家族もひきこもり状態を異常視しない傾向があります。しかしながら、多くのケースでひきこもり本人が二十代後半になると、状況が一変します。具体的には、ひきこもり本人が自らの置かれている状況について意識的になり、そのような状況をもたらした責任者を探し始めるという事象が生じます。

 

そういった場合に槍玉に上がりやすいのが、両親なのです。そもそも両親は子供に対して多大な影響力を持っていますし、社会的交流の度合いが少ないひきこもり本人にとって、自らに影響を与えうる主体としては、両親の比重が圧倒的に大きいということは理解しやすいことです。そこでひきこもり本人は二十代後半になると積極的に両親の責任を追及するようになります。

 

つまり二十代前半のひきこもり本人が落ち着いているからといって、ひきこもり問題に真剣に取り組まなくても何とかなるということは、大変な誤りであるということです。では親は何をするべきなのでしょうか? 後で本人から責任を追及されて大変なことになるということが問題ですので、とにかく本人から責任を追及されないように親が適切な振る舞いをしておくということが重要になります。

 

何が親にとって相応しい振る舞いなのかは、ケースバイケースであると言えますが、例えば本人の客観的状況を踏まえた対応を行なっているといったことが挙げられます。ひきこもり問題の多くのケースで、本人の発達障害がひきこもり状態の原因になっています。もし発達障害である可能性が否定できないのであれば、親が子供に病院を受診するように強く勧めるということは、後から本人からの責任に対して抗弁するために、不可欠です。

 

状況が深刻化していない段階でストレスが溜まる対応を積極的に行うのは骨が折れます。しかしながら一つひとつ真剣に取り組んでいかなければ、将来の問題がより深刻になってしまうだけです。ひきこもり問題の関係者には、とにかくやるべきことを一つずつやるという真摯な態度が求められていると言えます。

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